「LEX」血栓症予防のための下肢運動器

静脈血栓症が発生しやすい術後患者等向けの予防運動器です

術後患者、寝たきり患者等には深部静脈血栓症が発生しやすく、その予防は重要です。現在、間欠的空気圧迫法や弾性ストッキング等の予防法が一般的に行われていますが、深部静脈血栓症予防は完全とは言えない状況でした。
その解決策としては自発的な下肢全体の複合運動が有効とされており、本機器はその運動を実現できるものとして注目されています。

機器概要

  • 事 業 主 体 名 : 株式会社根本製作所
  • 事業期間 [分類] : 2016.11 - 2017.3 [試作開発]
  • 参 加 団 体 名 : 筑波大学、他

「血栓症予防のための下肢運動器「LEX」」が
解決してくれること

患者自身の「自発的な」血栓症予防運動の
動機付けを可能に!

術後患者等の深部静脈血栓症予防の解決策としては自発的な足関節底背屈運動、膝屈曲伸展、股関節屈曲伸展といった下肢全体の複合運動が有効とされていますが、声かけによって促すだけでは患者自身が運動する動機づけになっておらず、もっと簡便で有効な血栓予防法が求められていました。
本機はベッドに固定し、患者が臥位のまま使用するもので、患者自身がペダルを踏み込む運動を行うことで下肢血流を増加させるものですが、既存の間欠的空気圧迫法や機器を使用しない床上(ベッド)下肢運動に比べて高い血流改善効果が上がっています。

病院・老健施設のみならず、
災害に伴う避難所での血栓症予防に有効!

深部静脈血栓症はいわゆるエコノミークラス症候群として一般にも知られていますが、東日本大震災や熊本地震等の災害時にはその血栓症によってお亡くなりになる方が相次いだことは大変残念なことでした。
不便で慣れない生活を強いられるために、避難所等で積極的に運動を行うことに意識がつながりにくい被災者の方々に向けても、本機は有効に機能します。
避難所に一般的に設置される医療チームのテント内に設置したり、避難中の体育館等に持ち込んで使用して頂けるように可搬性にも配慮しました。

血栓症予防のための下肢運動器「LEX」を開発した意図 自分たちなら、患者が臥位のまま「自主的に」患者自身がペダルを踏み込む運動を行う装置を開発できると思った。

弊社の得意領域である機械加工をベースに、お客様のご意向を伺いながらそのニーズに最適化した製品をご提供することをモットーとしております。
例え、完成品でなくても、お客様にとってユーザーフレンドリーで使いやすい機械加工を心掛けております。
より良い製品、機械加工を実現するため、お客様、社内、あらゆる関係者からの「創造しいご意見」を総意として盛り込んでいくことを徹底しています。

専務取締役 水越 力 氏

自分たちなら、患者が臥位のまま「自主的に」患者自身がペダルを踏み込む運動を行う装置を開発できると思った。

相談役 水越 紀二 氏

01.

本機はペダルを踏み込むだけでなく、その際の足関節運動をより生理的なものに近づけるため、ペダル部分に底背屈だけでなく、内外反方向の可動域ももたせるといった工夫を凝らしています。これらは弊社が開発して大ヒットしている足踏み器具のノウハウがいかんなく反映されています。しかし何よりも重要なことは、筑波大学より術後に下肢運動をさせる良い機器がなくて困っている、現時点では段ボールを踏ませているのだが、との相談を受けたことが足踏み器具のノウハウを活かした医療機器開発に踏み出したきっかけとなっています。

開発でどんなところが
大変でしたか?

法律的なところもありますが、病院で使うものなので、患者さんを怪我させない設計を考えることが大変でした。ですが、一番大変なのは、「見た目」でした。茨城県の医療懇親会で、たまたま筑波大学の先生と話が盛り上がり、初めて医療分野に参入しました。勝手がわからず、いつも通りに作ると、ゴツくて、メカメカしい。そうなると、「重い」「格好悪い」というので、なかなか使ってもらえませんでした。頂いた声に真摯に向き合い、角を丸くしたり、デザイン全般に気を付けることで、改善していきました。

02.iGNTはどのような形で
役立ちましたか?

iGNTに資金援助を受け、国際特許も申請することが出来まして、販売の足掛かりが得られました。今まで、筑波大学さんと、10年間一緒に開発してきましたが、弊社で販売チャネルを持っていないこともあり、なかなか販売に至りませんでした。それに対し、今回は国際特許がありますので、販売業者さんに宣伝する上で、大変役に立ちました。これから更に一歩、進めていけるのではないかと思っています。

03.今後、どのように発展して
いきたいか聞かせてください。

国際特許も取りましたし、日本に限らず世界で使ってもらえるように、発信していきたいと思っています。他にも、この機器を含めて、色んな支援ができるようになりたいです。たとえば、震災が起きた際に、血栓予防のため避難所に1~2台置くなど、「茨城からこれを持って来ました」と、お役に立てるような企業になりたいと思います。

期待される導入効果

ベッド上での長期臥床の可能性のある患者に対する予防策。

手術後患者(人工関節手術や脊椎手術などの整形外科手術の術後患者)、担癌患者は深部静脈血栓症の発症リスクがあります。疼痛や動機づけの面で積極的な運動は困難ですが、ベッド上でも積極的に下肢自動運動を促すことにより、発症のリスクを軽減できる可能性があります。

院外での深部静脈血栓症予防策。

介護保険施設などの病院以外でも長期臥床の方には血栓発症リスクがあります。また、日本は災害が多い国であり、避難所での血栓発症が問題となっています。避難所に、本器械を持参することにより、血栓発症リスクを軽減できる可能性があります。

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